性成熟期(18歳頃〜45歳頃)
性成熟期(18歳頃〜45歳頃)
エストロゲンの分泌が盛んな時期です。
不正性器出血とは、通常の月経以外の異常な性器出血のことをいいます。
まず、女性の不正性器出血で、一番初めに疑わなければならないものが、妊娠です。
「出血があるから、私は妊娠していない」と思い込んでいる方も多く見られます。まずは、妊娠を疑いましょう。
妊娠が否定された場合に、次に重要になってくるのが、悪性腫瘍による不正性器出血です。
子宮頸がん検診や、超音波検査を行います。必要であれば子宮体がん検診も行います。
不正性器出血の頻度としては、ホルモン異常による機能性子宮出血が30%を占めており、命に関わるような出血でないことが多いのですが、やはり、悪性腫瘍の可能性を確実に除外する必要があるため、必ず子宮がん検診や超音波検査を行いましょう。
当院では、子宮がん検診を数多く経験した女性医師が在籍しており、できるだけ痛みが少なくなるような声かけや、内診時のポジショニングをとても大切にしております。
また、性経験や出産経験に応じた内診器具や診察方法を、個人に合わせて選択しておりますので、ご安心ください。
子宮頸がんは主にヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが、性的接触により子宮頸部に感染して生じるがんです。症状としては月経とは無関係の出血やおりものの増加、月経期間が長引くなどがありますが、初期の場合、自覚症状はありません。近年、20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとされています。出血などの症状がなくても、20歳を過ぎたら、2年に1回の子宮頸がんの検診を受けましょう。また、HPVに感染しているかを調べることで、子宮頸がんのリスクも分かるので、ぜひ調べてみることをお勧めします。
また、HPVワクチンを接種した方も定期的な検診をお勧めします。
子宮内膜や体部にできるがんで、50〜60歳台に発症のピークがあります。症状として最もよくみられるのは不正出血です。とくに、閉経後に少量ずつ長く続く出血がある場合は、早めに受診し、子宮体がんの検査を受ける必要があります。
まずは、超音波検査によって、子宮の内膜の厚さを測定します。子宮内膜が閉経後にも関わらず、厚くなっている場合は、子宮体がん検診を行います。
子宮内膜が薄い場合は、あまり心配することはありませんが、不正性器出血がある場合は、子宮体がん検診を行います。
閉経前の女性でも子宮体がんを発症することがありますが、やはり不正性器出血や月経量が多いなどの症状が多く認められます。そのような症状がある場合は、閉経前であっても子宮体がん検診を受ける必要があります。
治療の主体は手術で、病気の進行程度にもよりますが、基本的には子宮、卵巣・卵管、リンパ節を摘出するのが一般的です。子宮体がんは病巣が子宮にとどまっている段階で治療すれば80%以上の方は治癒が期待できます。早期発見・早期治療が重要なので、心配な症状があればためらわずに診療を受けるようにしましょう。
おりものは、帯下といい、膣や子宮からの分泌物のことです。
正常な帯下は、半透明〜白濁色(下着について乾くと薄黄色に変色します)。帯下の中には、乳酸桿菌というからだに良い菌が常在しています。やや酸っぱい匂いがしますが、正常なおりものですので心配ありません。
異常な帯下としては、
などです。このようなおりものがあるときは、帯下の検査をし、原因を突き止め治療します。
月経痛は我慢しない。月経痛は無いのが理想です。
月経困難症とは、月経に随伴して起こる病的症状で、日常生活に支障をきたし治療が必要なもののことです。
症状として、
などの症状を認めます。
上記のような症状があるにも関わらず、子宮や骨盤には異常を認めないものを、機能性月経困難症といいます。特に10代〜20代前半に多く見られ、排卵がある月経に伴って起こることが多いです。(無排卵の場合は月経痛が少ないです)
また、月経が始まったばかりの女性では、子宮の出口が狭いことが原因で子宮の収縮を強く感じ、腹痛が生じることがあります。
上記のような症状があり、診察の結果、子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫などが認められたものを、器質性月経困難症といいます。
主に30歳以降の女性に多いのですが、子宮内膜症に関しては、最近では発症年齢の若年化が注目されており10代で発症するケースも見受けられます。
それらを治療せず、放置することにより、将来の不妊症にも繋がることがあります。
どちらの月経困難症についても、消炎鎮痛剤、低用量ピル、黄体ホルモン製剤を使用することで、月経困難症の改善効果が得られます。
10代のうちから、月経困難症を治療することで、将来の不妊症や婦人科疾患を予防することができます。
月経痛は我慢するものではありません!月経痛は無いのが理想です。
月経痛があることで、学校生活や勉強に支障が出てしまうことがないよう、お手伝いいたします。
女性の月経の周期は、個人差はありますが、約1ヶ月のサイクルの繰り返しです。
一般的な月経周期は、25~38日ごとに、周期の変動は6日以内で、持続日数が3~7日のものを指します。この条件のうち1つでも当てはまらないものがある場合を、生理不順、または月経不順と呼びます。
月経不順の症状は、
などがあります。
月経時の経血量が異常に少なかったり、多かったりといった月経困難症の症状を伴うこともあります。無月経は症状がない場合もあります。
原発性無月経の場合、乳房の発達や陰毛の出現などの第二次性徴がないのが特徴です。
続発性無月経において、脳下垂体腫瘍などが原因の場合は頭痛や吐き気、めまい、視覚異常などの症状を伴い、無月経、月経不順ともに不妊につながりやすくなります。
月経不順となる原因にはさまざまなものがあります。
その中でも大きな原因としては「ホルモンバランスの乱れ」が挙げられます。
通常、月経は卵巣ホルモン、黄体ホルモンといった女性ホルモンによってコントロールされており、女性ホルモンの分泌は、脳視床下部、脳下垂体、卵巣の3つの器官が連携して行っています。
正常に機能していれば、月経が開始されます。
脳視床下部、脳下垂体、卵巣のうちのいずれか1つにでも異常が起こると、月経が開始されなかったり、周期が乱れたりといった問題が発生します。
脳視床下部は、ストレスの影響を受けやすい器官のため、家庭、職場、学校などでの精神的ストレスから視床下部の働きが乱され、ホルモンバランスが崩れて生理不順になることもあります。
また、激しい運動や無理なダイエットも月経不順の原因となることがあります。
月経不順では、原因、年齢、妊娠をすぐに望むかどうかにより治療が異なります。
思春期では、排卵が未確立なことも多いため、1年に3~4回月経が来れば成長を待って治療することを相談します。過度のダイエットによる痩せ、肥満があるときは定期的なカウンセリングを行うことで不安を取り除きます。
基礎体温表を記録するなど、自分のホルモンバランスを管理することも大切です。
また、月経困難症を合併する場合は治療として低用量ピルや黄体ホルモン製剤を使います。
低用量ピルや、黄体ホルモン製剤を使うことで、ホルモンのアンバランスを改善し、子宮や卵巣に負担がないように月経を調節することが可能になります。将来の不妊症も予防することもできます。
無月経とは、3ヶ月以上月経のない状態のことをいいます。病的な無月経は、
の2種類に分けられます。
定義としては、上記のように18歳を過ぎても初潮が起こらない場合ですが、臨床的には15歳を過ぎても初潮が来なければ婦人科を受診し検査を受けることをおすすめします。非常に稀ではありますが、主に卵巣が原因であることが最多です。
例)ターナー症候群、卵巣形成不全、抗がん剤や放射線治療後
その他、さまざまな疾患により原発性無月経を生じることがあります。また、子宮や膣自体の奇形により無月経を起こす場合もあります。身体的所見やホルモン値や超音波検査によって無月経の原因を精査します。
脳にある視床下部から放出されるホルモンの異常により起こることが大半です。代表的なものとして、急激なダイエットによる無月経です。
その他に、下垂体腺腫による無月経や、多嚢胞性卵巣症候群による無月経などがよく知られています。どの続発性無月経においても、排卵障害を調べるために、ホルモンの検査を行うことが重要となってきます。
(プロラクチン・LH・FSHなどのホルモンを採血によって調べます。)
このように、無月経の原因を精査することで、原因に応じた治療を行います。
PMS(月経前症候群)は、月経の前になると決まって不快な症状が現れ、身体的・精神的に日常生活にまで支障をきたすことをいいます。
個人差はありますが月経前、3〜10日前くらいから症状が現れ、月経が始まるとともに軽くなり消失するのが特徴です。
また、PMDDは、PMSの中でも特にこころの不調が激しく、日常生活や社会生活に支障をきたしているもののことを指します。
詳しい原因ははっきりとわかっていませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。黄体期の後半に卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことがPMSの原因と考えられています。しかし、脳内のホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響を受けるため、PMSは女性ホルモンの低下だけが原因ではなく、多くの要因から起こるといわれています。
月経の3〜10日前くらいに現れるさまざまな症状のことで、個人差はありますが精神神経症状と身体症状があります。
情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感
腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張り
仕事の負担を減らし、生活を改善しても症状が軽快しなければ、薬による治療をおこないます。
排卵が起こり、女性ホルモンの変動があることがそもそもの原因なので、排卵を止め女性ホルモンの変動をなくすことで症状が改善します。低用量ピル(OC)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP)が有効です。その他にも、年齢や症状に応じて、さまざまな治療法があるため、お気軽にご相談ください。
旅行や大会など、大事な行事と生理が重なるかもしれない時に、生理を早めたり遅めたりすることが可能です。
どちらも、同じ薬を内服します。
生理が来そうな日の5日前から飲み始めます。飲んでいる間は、生理が来ません。
ただ、遅らせることによるデメリットとして、このお薬は、人によって、吐き気やだるさなどの副作用が出ることがあります。旅行中も薬を内服する必要があるため、その副作用を我慢しなければなりません。また、その他の副作用として、体のむくみを感じることがあります。バレエや新体操やスポーツの大会など、体が浮腫んでいると、最高のパフォーマンスができなくなる可能性もあります。ですので、できれば、月経を早める方法をとる方がおすすめです。
月経を早める場合は、注意点があります。大事な予定と重なる日よりも、1ヶ月程度早く受診してください。できれば、前の月経が始まるよりも前に受診してください。そうすることで、失敗を防げます。また、月経が終わり、最も体が軽くなる時期に、大事な予定を合わせることも可能です。飲み方は、前の周期の月経中に飲み始めます。詳しい調節は、ご本人の月経周期や、月経周期による体の調子を相談しながら、飲み方を決定しましょう。
どちらの方法でも、人工的に月経前のホルモン状態にするお薬です。低用量ピルとおなじような成分ですが、ホルモンの量がやや多く、中等量入っていますので、副作用が強く出ることがあります。その際は、吐き気どめや飲み方を工夫して、副作用を最小限にすることも可能です。また、その他の薬もありますので、ご相談ください。
避妊効果の高いものから順に
となっています。
そのほかに、緊急避妊法があります。
そのほかに、緊急避妊法があります。
避妊をしなかった、または失敗した性交後72時間以内にレボノルゲストレル1.5mgを1回内服することで、避妊阻止率を90.8%にすることができます。
性感染症とは、性行為または、それに類似した性交渉の皮膚または粘液の接触により感染する疾患の総称です。
自覚症状がないものもあるため、ブライダルチェックとして、性感染症を調べることも可能です。
また、性感染症を確実に治療するためには、パートナーと一緒に検査し、同時に治療することがとても重要です。
性感染症を防ぐためには、確実なコンドームの使用が非常に重要です。性感染症は将来の不妊にもつながりますので、正しい知識を身につけて、自分の体を大切にしましょう。
月経が遅れたり、生理とは違う出血があったりする場合は、妊娠を疑いましょう。まずは、月経が1週間遅れた頃に市販の妊娠検査薬で妊娠判定を行いましょう。
超音波検査で赤ちゃんの袋が見えるのは、5週頃からですが、着床した時期は個人差があり、ずれることも多々あります。受診が早すぎると、子宮の中の赤ちゃんを確認することができず、正常妊娠と子宮外妊娠の鑑別が難しくなってきます。
ですので、月経が遅れて2週間ほど経った頃に受診するのが良いでしょう。それでも子宮の中に赤ちゃんの袋が見えない場合は、腹痛や出血などの自覚症状や血液中のh C G
の値を併せて、慎重に経過をみていきます。
当院では、予定日を決定するまで経過をみさせていただきます。妊婦健診や出産は、提携病院へご紹介させていただきます。
子宮頸がんは、子宮の入り口にできるがんですが、突然がんになるわけではありません。その多くがHPVというヒトパピローマウイルス感染によるものです。そのウイルスに感染すると、5年〜10年かけて、細胞が徐々に変化し、細胞の顔つきが段階的に悪化(異形成)して、がんになるのです。
正常からがんになるまでの段階を示すと、
NILM、ASC-US、LSIL、ASC-H、HSIL、SCC
という結果表示になります。
異常なし
20〜30人に1人くらいの割合。正常とは言い切れないが、異形成の可能性は低い。HPVの感染の有無を調べ、陽性の場合は精査します。
100人に1人くらい。軽度異形成の可能性が高いが、一部高度異形成の人も紛れている。精密検査の必要があります。
高度扁平上皮内病変を除外できない異形扁平上皮細胞
高度扁平上皮内病変
扁平上皮がん
ASC-H以上の結果であれば、手術が必要になる可能性が高いため、提携病院へご紹介させていただきます。
子宮頸がんは、ほんの一部を除くと、とても進行がおそく、早期発見・早期治療することが可能ながんです。また、最近では、HPVワクチンの公費接種も進み、予防ができるがんでもあります。婦人科を受診することは勇気がいりますが、仮に異常が指摘された場合でも、不安になる必要はありません。むしろ、検診に行ったおかげで早い段階で軽度の異常が見つかったのだと思いましょう。異常を指摘された場合は放置せず、必ず婦人科を受診しましょう。
また、検診で異常を指摘されなかった方でも、HPVに感染しているか否かを調べることで、今後異形成になるリスクが高いのかどうかが分かります。自費で行う検査にはなりますが、有意義な検査ですので、一度調べてみることをおすすめします。
一般に通常の夫婦生活を送っていれば、結婚して半年で7割程度、1年で9割程度が妊娠するといわれています。しかし最近は、晩婚化により妊娠を考える年齢が上昇しており、不妊症のカップルは夫婦6、7組に1組の割合といわれています。
不妊症とは、生殖年齢の男女が妊娠を希望し、1年以上避妊せず性交を行っているにもかかわらず、妊娠しない状態です。しかし、卵管閉塞、重度の乏精子症や無精子症など医学的に原因が明らかな場合、不妊期間は問わず、妊娠のためには医療介入が必要です。不妊の原因を早く知ることができれば、妊娠までの期間を短縮できる可能性があります。妊娠を希望した場合はまず、スクリーニング検査で異常がないかを明らかにすることから始めることをおすすめします。
自然妊娠でも不妊治療でも、男女ともに年齢が高くなればなるほど妊娠する確率は低くなることがわかっています。そのため、男性、女性共に早めに検査や治療を行うことをおすすめします。
不妊症といっても、原因はさまざまです。
大きく分けると原因は女性側、男性側の片方、あるいはその両方の原因とに分けられます。
月経周期が25日~38日で発来しており、基礎体温が二相性の場合はおそらく問題ありませんが、月経不順の女性は排卵障害の可能性があります。
排卵障害の原因としては、プロラクチンという乳汁を分泌させるホルモンの分泌が増える「高プロラクチン血症」や、卵巣内の男性ホルモンが高まることにより排卵がうまく行われない「多嚢胞性卵巣症候群」という病態が多くみられます。また、ストレスやダイエットに伴って月経不順をきたした場合にも排卵障害によって不妊症になることがあります。
卵管狭窄(卵管内の幅が狭くなる)や卵管閉塞(卵管がつまる)、卵管水腫・留血腫など、精子や卵子を運ぶ卵管の構造・機能に異常があり、不妊の原因となる場合があります。
クラミジアや淋菌などの性感染症や子宮内膜症では、卵管やその周囲の炎症により、狭窄・閉塞や卵管采周囲の癒着を起こし、卵管に卵子が取り込まれにくくなるために不妊症になることがあります。
子宮の内膜に腫瘤ができる、または元々の形態に異常がある、または慢性的に子宮内膜に炎症がある、などの理由で着床を妨げる場合があります。子宮粘膜下筋腫や子宮内膜ポリープ、子宮腔内癒着症、中隔子宮が代表的な疾患です。
子宮頸管の狭窄や頸管粘液の分泌に異常がある場合には、精子の進入を妨げてしまうため不妊の原因となります。
女性側に抗精子不動化抗体(精子の運動を止めてしまう抗体)が見つかった場合には、精子の運動性や受精に影響を与えます。
不妊症カップルに認められる下記の「原因不明不妊」の中で、かなりの頻度でこの免疫因子が含まれていると考えられていますが、まだ不明な部分も多いと考えられています。
不妊症の検査をしても明確な不妊の原因が見つからない場合を原因不明不妊と分類します。これは不妊症の1/3を占めるとも言われています。しかし、実際には現時点で行われる検査では明らかにすることができないことも多く、人工授精や体外受精・顕微授精の適応となります。通常の体外受精を行っても受精せず、顕微授精をおこなってようやく受精するカップルもいます。この受精障害という原因は、体外受精を行うことで初めて診断することができます。これは間違いなく高度生殖補助医療のメリットと言えます。
乏精子症とは精子数が1500万/mL未満で精子の数が少ないことをいいます。
精子無力症とは運動率が40%未満で精子の動きが悪いことをいいます。
乏精子症、精子無力症の双方を合併しているケースも多く認められます。
精液中に精子が全く見られない状態を無精子症といいます。閉塞性と非閉塞性に大別され、非閉塞性が9割を占めると言われています。非閉塞性無精子症に対しては技術の向上により精子の採取率が著しく向上しています。
正常な精子が形成される割合は4%以下の場合をいいます。
精索静脈瘤は精巣上部や周辺の静脈が拡張した状態のことを示します。正常な男性に比べ不妊患者では高い確率で認められます。拡張した静脈内の温度の上昇にともない精巣が温められることで障害が起きると言われています。
性機能障害には、性交時に有効な勃起が起こらず性行為がうまくいかない勃起障害(ED)や性行為は出来ても腟内での射精ができない腟内射精障害があります。心的な要因が主であると言われています。
精子は精巣で造られ、精巣上体、精管を通り、射精により精液として尿道から排出されます。精路(精巣上体、精管、射精管)に何らかの障害(閉塞)があり、精液中に精子がでない状態、つまり精巣内で精子を作る能力はあっても、精路に炎症などが起きることによって詰まり、射出精液中に精子が認められない状態をいいます。無精子症の原因の中でも15~20%に認められます。
テストステロン分泌低下、低ゴナドトロピン性性腺機能不全、高プロラクチン血症などのホルモン障害や感染症による副腎障害、がん(悪性腫瘍)などが原因として挙げられます。不妊症の検査をきっかけに精巣のがんが見つかることもあります。