思春期(9歳頃〜18歳頃まで)
思春期(9歳頃〜18歳頃まで)
月経痛は我慢しない。月経痛は無いのが理想です。
月経困難症とは、月経に随伴して起こる病的症状で、日常生活に支障をきたし治療が必要なもののことです。
症状として、
などの症状を認めます。
上記のような症状があるにも関わらず、子宮や骨盤には異常を認めないものを、機能性月経困難症といいます。特に10代〜20代前半に多く見られ、排卵がある月経に伴って起こることが多いです。(無排卵の場合は月経痛が少ないです)
また、月経が始まったばかりの女性では、子宮の出口が狭いことが原因で子宮の収縮を強く感じ、腹痛が生じることがあります。
上記のような症状があり、診察の結果、子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫などが認められたものを、器質性月経困難症といいます。
主に30歳以降の女性に多いのですが、子宮内膜症に関しては、最近では発症年齢の若年化が注目されており10代で発症するケースも見受けられます。
それらを治療せず、放置することにより、将来の不妊症にも繋がることがあります。
どちらの月経困難症についても、消炎鎮痛剤、低用量ピル、黄体ホルモン製剤を使用することで、月経困難症の改善効果が得られます。
10代のうちから、月経困難症を治療することで、将来の不妊症や婦人科疾患を予防することができます。
月経痛は我慢するものではありません!月経痛は無いのが理想です。
月経痛があることで、学校生活や勉強に支障が出てしまうことがないよう、お手伝いいたします。
女性の月経の周期は、個人差はありますが、約1ヶ月のサイクルの繰り返しです。
一般的な月経周期は、25~38日ごとに、周期の変動は6日以内で、持続日数が3~7日のものを指します。この条件のうち1つでも当てはまらないものがある場合を、生理不順、または月経不順と呼びます。
月経不順の症状は、
などがあります。
月経時の経血量が異常に少なかったり、多かったりといった月経困難症の症状を伴うこともあります。無月経は症状がない場合もあります。
原発性無月経の場合、乳房の発達や陰毛の出現などの第二次性徴がないのが特徴です。
続発性無月経において、脳下垂体腫瘍などが原因の場合は頭痛や吐き気、めまい、視覚異常などの症状を伴い、無月経、月経不順ともに不妊につながりやすくなります。
月経不順となる原因にはさまざまなものがあります。
その中でも大きな原因としては「ホルモンバランスの乱れ」が挙げられます。
通常、月経は卵巣ホルモン、黄体ホルモンといった女性ホルモンによってコントロールされており、女性ホルモンの分泌は、脳視床下部、脳下垂体、卵巣の3つの器官が連携して行っています。
正常に機能していれば、月経が開始されます。
脳視床下部、脳下垂体、卵巣のうちのいずれか1つにでも異常が起こると、月経が開始されなかったり、周期が乱れたりといった問題が発生します。
脳視床下部は、ストレスの影響を受けやすい器官のため、家庭、職場、学校などでの精神的ストレスから視床下部の働きが乱され、ホルモンバランスが崩れて生理不順になることもあります。
また、激しい運動や無理なダイエットも月経不順の原因となることがあります。
月経不順では、原因、年齢、妊娠をすぐに望むかどうかにより治療が異なります。
思春期では、排卵が未確立なことも多いため、1年に3~4回月経が来れば成長を待って治療することを相談します。過度のダイエットによる痩せ、肥満があるときは定期的なカウンセリングを行うことで不安を取り除きます。
基礎体温表を記録するなど、自分のホルモンバランスを管理することも大切です。
また、月経困難症を合併する場合は治療として低用量ピルや黄体ホルモン製剤を使います。
低用量ピルや、黄体ホルモン製剤を使うことで、ホルモンのアンバランスを改善し、子宮や卵巣に負担がないように月経を調節することが可能になります。将来の不妊症も予防することもできます。
無月経とは、3ヶ月以上月経のない状態のことをいいます。病的な無月経は、
の2種類に分けられます。
定義としては、上記のように18歳を過ぎても初潮が起こらない場合ですが、臨床的には15歳を過ぎても初潮が来なければ婦人科を受診し検査を受けることをおすすめします。非常に稀ではありますが、主に卵巣が原因であることが最多です。
例)ターナー症候群、卵巣形成不全、抗がん剤や放射線治療後
その他、さまざまな疾患により原発性無月経を生じることがあります。また、子宮や膣自体の奇形により無月経を起こす場合もあります。身体的所見やホルモン値や超音波検査によって無月経の原因を精査します。
脳にある視床下部から放出されるホルモンの異常により起こることが大半です。代表的なものとして、急激なダイエットによる無月経です。
その他に、下垂体腺腫による無月経や、多嚢胞性卵巣症候群による無月経などがよく知られています。どの続発性無月経においても、排卵障害を調べるために、ホルモンの検査を行うことが重要となってきます。
(プロラクチン・LH・FSHなどのホルモンを採血によって調べます。)
このように、無月経の原因を精査することで、原因に応じた治療を行います。
PMS(月経前症候群)は、月経の前になると決まって不快な症状が現れ、身体的・精神的に日常生活にまで支障をきたすことをいいます。
個人差はありますが月経前、3〜10日前くらいから症状が現れ、月経が始まるとともに軽くなり消失するのが特徴です。
また、PMDDは、PMSの中でも特にこころの不調が激しく、日常生活や社会生活に支障をきたしているもののことを指します。
詳しい原因ははっきりとわかっていませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。黄体期の後半に卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことがPMSの原因と考えられています。しかし、脳内のホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響を受けるため、PMSは女性ホルモンの低下だけが原因ではなく、多くの要因から起こるといわれています。
月経の3〜10日前くらいに現れるさまざまな症状のことで、個人差はありますが精神神経症状と身体症状があります。
情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感
腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張り
仕事の負担を減らし、生活を改善しても症状が軽快しなければ、薬による治療をおこないます。
排卵が起こり、女性ホルモンの変動があることがそもそもの原因なので、排卵を止め女性ホルモンの変動をなくすことで症状が改善します。低用量ピル(OC)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP)が有効です。その他にも、年齢や症状に応じて、さまざまな治療法があるため、お気軽にご相談ください。
旅行や大会など、大事な行事と生理が重なるかもしれない時に、生理を早めたり遅めたりすることが可能です。
どちらも、同じ薬を内服します。
生理が来そうな日の5日前から飲み始めます。飲んでいる間は、生理が来ません。
ただ、遅らせることによるデメリットとして、このお薬は、人によって、吐き気やだるさなどの副作用が出ることがあります。旅行中も薬を内服する必要があるため、その副作用を我慢しなければなりません。また、その他の副作用として、体のむくみを感じることがあります。バレエや新体操やスポーツの大会など、体が浮腫んでいると、最高のパフォーマンスができなくなる可能性もあります。ですので、できれば、月経を早める方法をとる方がおすすめです。
月経を早める場合は、注意点があります。大事な予定と重なる日よりも、1ヶ月程度早く受診してください。できれば、前の月経が始まるよりも前に受診してください。そうすることで、失敗を防げます。また、月経が終わり、最も体が軽くなる時期に、大事な予定を合わせることも可能です。飲み方は、前の周期の月経中に飲み始めます。詳しい調節は、ご本人の月経周期や、月経周期による体の調子を相談しながら、飲み方を決定しましょう。
どちらの方法でも、人工的に月経前のホルモン状態にするお薬です。低用量ピルとおなじような成分ですが、ホルモンの量がやや多く、中等量入っていますので、副作用が強く出ることがあります。その際は、吐き気どめや飲み方を工夫して、副作用を最小限にすることも可能です。また、その他の薬もありますので、ご相談ください。
にきびは多くの人が経験するとても身近な皮膚疾患です。とくに思春期にできることが多く、気にする方も少なくありません。
にきびの直接的な原因は、皮脂の過剰な分泌と毛穴の詰まりです。過剰に分泌された皮脂が毛穴にたまり、面皰(めんぽう)という状態になります。この毛穴にたまった皮脂を栄養源にして、にきびの元となる菌が増殖して症状を悪化させます。
にきびは、食生活、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、紫外線、ストレスや生活環境など、様々な要因が複雑に絡み合ってできることが多く、治りにくい特徴があります。にきびの治療の第一選択は、レチノイド様作用のある外用薬によって皮膚のターンオーバーを活発にする治療が最も有効ですが、ピルによってもにきびを改善することが可能です。
2価、4価、9価の3種類のワクチンがあり、それぞれ接種スケジュールが異なります。
小学校6年生から高校1年の女子が対象です(標準は中学1年生の間)。1ヶ月の間隔をあけて2回接種します。その後、1回目の接種から6ヶ月の間隔をおいて3回目を接種します。
小学校6年生から高校1年の女子が対象です(標準は中学1年生の間)。2ヶ月の間隔をあけて2回接種します。その後、1回目の接種から6ヶ月の間隔をおいて3回目を接種します(任意接種で9歳以上の男子も接種できます)。
9歳以上15歳未満の女子が対象です。初回接種から6ヶ月以上の間隔をあけて2回接種します(2回目の接種が初回接種から5ヶ月後未満であった場合、2回目の接種から3ヶ月以上あけて3回目を接種します)。
1997年4月2日から2006年4月1日生まれの女子は、2022年4月から2025年3月までの3年間、定期接種としてHPVワクチンを無料で受けられます。